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大越 清紀; 千葉 敦也; 水橋 清; 田島 訓
JAERI-Review 2004-025, TIARA Annual Report 2003, p.324 - 325, 2004/11
原研高崎TIARAでは多目的な実験を行うために多種類のイオン発生を行っているが、イオン種によっては長時間安定に発生することが困難なものもある。ビーム電流の変動は照射量誤差の原因を引き起こすため、常時安定したビーム電流で照射することが望まれている。このため、われわれはビーム電流を常時一定にするためのワイヤー型連続可変減衰器を用いたビーム電流安定化システムの開発を行った。本減衰器はビームに挿入するワイヤーの粗密によりビーム電流を減衰するものであり、中空円筒状の曲面の両側に開口部を設け、そこに徐々に間隔を狭めるようにワイヤーを配置した構造になっている。ワイヤーは、最初の30mm部分は設置せずに100%透過できるようにし、そこから10mmごとに5本,10本,15本そして20本とワイヤー間隔を狭めて配置した。減衰器を減衰方向へ回転させるとビームに挿入するワイヤーが増え、ビーム形状を維持しながら減衰率をほぼ直線的に大きくすることができる。実際に減衰器をターゲット前に設置し、コンピュータの比較回路によって制御した結果、変動率26.7%/10minだったビームをほぼ3%(設定値1A)以内の安定したビームにすることができた。
堀 利彦*; 千代 悦司; 山崎 正義*; 鈴木 浩幸*; 長谷川 和男
Proceedings of 1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 29th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.212 - 214, 2004/08
972MHz RFテストスタンドで昨年実施した主な活動状況2件を報告する。これに加えて、クライストロン入出力特性の出力飛び現象を究明するために、診断用のモニタなどを整備し、クライストロンビーム電流波形及び、入力反射波RFスペクトラムを計測した。結果、出力飛びの主原因がクライストロン管球内を逆走する逆行電子であることを、ビーム電流減少率とクライストロン入力側で出力特性がモニタできたデータより実証した。
南 龍太郎; 小林 則幸*; 坂本 慶司; 春日井 敦; 高橋 幸司; 今井 剛
JAERI-Research 2004-006, 17 Pages, 2004/03
ITER用大電力ジャイロトロンの秒レベルの長パルス運転時には、5A/sの電子ビーム電流の減少が生じ、正常な発振条件のミスマッチに起因する発振モードの移行のため、パルス幅が制限された。この電流減少の物理機構について検討し、その改善のための方法について報告する。電子ビーム電流の定量的な評価は、電子銃部陰極における熱移動のモデルを考え、パワーバランス方程式を解くことにより行い、このモデルが、実験結果をよく説明できることを明らかにした。また、ジャイロトロンの安定高性能な運転を維持するために、ショット中に電子銃部のヒーター電圧を上げ、電子ビーム電流を補償する実験を行った。これにより、電子ビーム電流の減少が抑制され、連続運転に向けた発振の安定化への見通しが得られた。
大越 清紀; 千葉 敦也; 水橋 清; 田島 訓
第17回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.138 - 140, 2004/00
原研高崎TIARAでは多目的な実験を行うために多種類のイオン発生を行っているが、イオン種によっては長時間安定に発生することが困難なものもある。ビーム電流の変動は照射量誤差の原因を引き起こすため、常時安定したビーム電流で照射することが望まれている。このため、われわれはビーム電流を常時一定にするためのワイヤー型連続可変減衰器を用いたビーム安定化システムの開発を行った。連続可変減衰器は、ビームに挿入するワイヤーの粗密によりビーム電流を減衰するものであり、中空円筒状の曲面の両側に開口部を設け、そこに徐々に間隔を狭めるようにワイヤーを配置した構造になっている。ワイヤーは、最初の30mm部分は設置せずに100%透過できるようにし、そこから10mmごとに5本,10本,15本そして20本とワイヤー間隔を狭めて配置した。減衰器を減衰方向へ回転させるとビームに挿入するワイヤーの本数が増え、ビーム形状を維持しながら減衰率をほぼ直線的に大きくすることができる。実際に減衰器をターゲット前に設置し、コンピュータの比較回路によって制御した結果、変動率26.7%/10minだったビームをほぼ3%(設定値1A)以内の安定したビームにすることができた。
中山 元林; 遠山 伸一; 野村 昌弘; 平野 耕一郎; 山崎 良雄; 佐藤 勇
JNC TN9400 99-073, 18 Pages, 1999/08
線形加速器だけでなく、円形加速器や蓄積リングを含めた大電流加速器として進行波還流型加速構造を提案する。その構造は常伝導の加速構造であるが、連続波でビーム電流を10Aまで加速することが可能である。このような加速管では大電流においてビーム不安定性による共鳴電界が発生し易く、空洞内で発生した高次モードを消すためにはビーム輸送の口径を大きくする必要がある。このような加速構造は、高効率であるだけでなく大電力入力も可能であり、また励起モードの蓄積エネルギーも非常に小さい。このような加速管は、シングルモード型と呼ばれており、円形加速器の位相安定化のためビームがRFの最適位相からずれても、空洞のデチューニングは必要としない。本報告書では、このような特徴を有する大電流加速管について、検討結果を報告する。
中嶋 佳則; 齋藤 勇一; 田島 訓
第12回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.109 - 112, 1999/00
試料に照射されるビーム電流は、通常試料を絶縁して測定される。しかし、複数の加速器を用いて行う複合ビームの照射の場合は、それぞれのビーム電流を試料上で分けて測定することができないため、長時間照射におけるビーム電流の経時的な変化が問題となる。このような問題点を解決するため、試料にビームを照射しながら各加速器からのビーム電流値を測定できる、透過型ビーム電流計の開発をすすめている。これは、ビーム中に金属ワイヤーメッシュを挿入し、そこから発生する二次電子量をビーム電流値に換算するものである。今回は、予備的な実験として、タンデム加速器及びイオン注入装置に設置されているビームプロファイルモニタを使用し、数種類のイオン種について電荷数及びエネルギーを変えて、その時の二次電子電流を測定した。
福田 光宏; 奥村 進; 荒川 和夫; 石堀 郁夫; 松村 秋彦*; 唐沢 孝*
Proc. of 11th Symp. on Accelerator Sci. and Technol., p.300 - 301, 1997/00
サイクロトロンの中心領域におけるビームセンタリングエラーの見積り方法を開発した。従来は、複数の半径プローブを用いてビーム軌道中心のズレを測定する方法が一般的であるが、原研AVFサイクロトロンの場合、複数の半径プローブを設置するスペースがなく、唯一全半径を走査できるメインプローブを所有しているだけである。そこで、一次元のビーム電流分布からビームセンタリングエラーを定量化する手法を考案し、実際のビーム電流分布を用いた見積りを試みた。粒子の運動方程式から、メインプローブ方向でのビーム位置を半径方向のベータトロン振動数、1ターン当たりのエネルギー利得、サイクロトロン中心からのビーム軌道中心のズレの強度で表し、加速初期段階の10ターン前後のビーム位置をフィティングすることにより、上記4パラメータを求めた。陽子10MeVのデータから、その解析手法の妥当性が確かめられた。
神谷 富裕; 須田 保*; 田中 隆一
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 118(1-4), p.423 - 425, 1996/09
被引用回数:18 パーセンタイル:80.24(Instruments & Instrumentation)PIXE, RBS及びNRAなどを用いた高分解能元素マッピングのために製作された原研軽イオンマイクロビーム装置では、0.25mのビーム径、100pAの電流のサブミクロンビーム形式のための開発が進められている。最近の2MeVのHeビームを用いた計測で、0.3mのビーム径、11pAのビーム電流のスポットが得られた。計算によれば、10台の電圧安定度を持つ加速器とエネルギー分解を持つ分析マグネットを用いることにより、目標のビーム性能を達成可能である。そのためには、レンズ系における各種寄生収差の削減と、イオン源からのビーム輝度とエネルギー安定性の向上が必要となる。
神谷 富裕; 須田 保*; 田中 隆一
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 104, p.43 - 48, 1995/09
被引用回数:49 パーセンタイル:96.5(Instruments & Instrumentation)原研軽イオンマイクロビーム装置が製作され、3MVシングルエンド加速器のビームライン上に設置された。本装置は主にイオンビーム分析のために用いられる。2MeVのヘリウムビームを用いたビームサイズ計測実験において、77pAの電流値で0.40.4m(半値幅)のビームスポットが得られた。本会議では、軽イオンマイクロビーム装置と加速器システムの概要を述べ、サブミクロン形成のためのビーム光学設計について議論し、ビームサイズ計測について報告する。
神谷 富裕; 須田 保; 酒井 卓郎; 濱野 毅*
第8回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, P. 73, 1995/07
高分解能局所イオンビーム分析を目的とする原研TIARAの軽イオンマイクロビーム装置は、サブミクロンのビームスポット形成を目標としており、現在までに0.3mのビームサイズを達成している。ビームサイズに下限を与える光学収差のうち色収差を最小限にするため、シングルエンド加速器の電圧安定度と90度分析電磁石によるエネルギー分析系のエネルギー分解能をともに10とした。またそれぞれを10とした場合についての測定を行い比較した。より大きなビーム電流を得るために加速器に搭載されたRF型イオン源の最適な運転パラメータのサーチを行っており、現在までに0.4mのビームサイズで77pAのHe 2MeVビームが得られている。今回はビームサイズ及びビーム電流計測結果とそれに対するビーム光学的な評価について述べる。
神谷 富裕; 須田 保*; 石井 保行; 齋藤 勇一; 田中 隆一
BEAMS 1994: 第5回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム講演論文集, p.15 - 18, 1994/00
高分解能イオンビーム分析のための軽イオンマイクロビーム装置が製作され、原研3MVシングルエンド加速器のビームラインに設置された。加速器の電圧安定度は110以下である。ビーム集束実験において、ビームサイズ0.40.4m、ビーム電流77pAのビームスポットを達成した。使用したビームは、2MeVのヘリウムである。今回はサブミクロンビーム形成のために設計されたビーム光学系について、及びビームサイズ計測について報告する。
坂本 慶司; 前原 直; 渡辺 聡彦*; 岸本 泰明; 小田 久子*; 川崎 温*; 永島 孝; 前田 彦祐; 志甫 諒
JAERI-M 91-036, 11 Pages, 1991/03
ミリ波領域における自由電子レーザー(FEL)実験が、ビームエネルギー1MeVビーム電流1~3kAのインダクションライナック(LAX-1)を用いて行われた。FELのウィグラーとしてハイパブリックサイン型の表面形状を持つビーム集束型永久磁石列が用いられ、これはウィグラー中の低エネルギー、大電流電子ビーム伝送に特に有効であることが示された。またこれを用いたミリ波発振実験において、40GHz帯ミリ波の発振が観測され、その成長率は0.42dB/cmであった。
横田 渉; 石堀 郁夫; 奥村 進; 上松 敬; 福田 光宏; 奈良 孝幸; 神谷 富裕; 中村 義輝; 荒川 和夫; 立川 敏樹*; et al.
Proc. of the 8th Symp. on Accelerator Science and Technology, p.70 - 72, 1991/00
JAERI AVFサイクロトロンの入射器である、ECRイオン源(OCTOPUS)とマルチカスプイオン源は、原研に設置後、数ヵ月にわたる調整運転を経て所定の性能を得るとともに、サイクロトロンへのビームの供給を本年3月に開始した。本講演では、イオン源単体としての性能(イオンビームの価数、生成量、エミッタンス、安定度等)、運転パラメータの特性、およびサイクロトロンまでのビーム輸送に関して、これまで得られたデータ、問題点について報告する。
谷 啓二; 鈴木 正信*; 山本 新; 安積 正史
JAERI-M 88-042, 17 Pages, 1988/03
軌道追跡モンテカルロ・コ-ドを用いてトカマク中でのNBIによるビーム駆動電流の解析を行った。その結果、粒子補足効果が非常に重要であることが示されている。
渡辺 宏; 青木 章平; 佐藤 友太郎*
日本食品工業学会誌, 24(2), p.59 - 64, 1977/02
電子線エネルギーやビーム電流、および照射前後の加熱処理などが果皮の褐度化や殺菌効果に及ぼす影響について調べ、カビや褐度の発生を抑えて温州ミカンを貯蔵するための条件を検討した。果皮の褐度化は電子線エネルギーが低いほど少なく、0.2MeVでは非照射と変わらなかった。前報での線量測定の結果から、果皮の褐度化は果皮だけに吸収された線量に依存し、果実全体に吸収された線量には依存しないことを明らかとした。また殺菌効果は0.5MeVで最も大きく、エネルギーが高くなるにつれて逆にカビの発生率は増加した。ビーム電流を変えて間接的に線量率効果を調べた結果、褐度発生には影響がみられないが、殺菌効果は電流が大きいほど、大きくなった。照射前後の加熱処理は無処理の場合よりも褐度やカビの発生を増加させた。したがってカビや褐度を抑えて貯蔵するには、比較的大きなビーム電流で0.5MeVで照射することが望ましく、また照射前後のミカンの品温を一定にする必要があると思われる。
田中 隆一; 四本 圭一; 田島 訓; 河合 視己人; 水橋 清; 景山 英一
JAERI-M 5608, 32 Pages, 1974/03
大線量領域におけるCo-線と1.5MeV電子線に対するCTA(三酢酸セルロース)フィルム線量計の較正について述べた。線、電子線の両方に対して各々2つの方法による測定結果は、定数の不確定さや実験誤差の範囲ではよい一致をみた。線量計の較正定数は線、電子線の間では異っており、線量率依存性があることがわかった。測定結果に対するいくつかの補正およびそれに関連する確定要因についても議論された。